はじめましての方ははじめまして。
当ブログ管理人のDAsanです。
以前にAMD環境でAIイラストをするためにComfyUIの導入方法を書きましたが、あれからさらにZLUDAを使えば快適になるということで、ZLUDAの導入で気をつけたことと、どれくらい早くなったのか書いてみたいと思います。
ZLUDAってなに?
ZLUDAというのは、NvidiaのCUDAアプリケーションをAMDのROcmをベースにしてAMDのGPUでも同じように使えるようにしてくれるプログラムです。
もともとはIntel対応で2020年頃に公開されていたようですが、非公開になり、
現在はAMDのROcmをベースに改めて公開されたものになっています。
ZLUDAの詳しい経緯についてはこちらから↓
ZLUDAでWebUIとComfyUI両方使えるようにする。
導入するのに参考にしたのはこちらのサイトです。
AIイラストについて、かなり詳しく書かれているので、こちらのページを見たら導入方法がわかると思います。
今回は私の環境ではこうして出来たよという上のページの導入方法の中からかなり抜粋して紹介します。
ZLUDA導入事前準備
1. 準備 (Nvidiaと共通)
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#c9f7b9fa
ZLUDAを導入するのに必要なものはこちらです。
- モデルを用意
- git
- Visual C++ Runtime
- VGAのドライバ更新
- Python 3.10.11
モデルは好きなものをCivitaiなどでダウンロードしておくと良いです。
あらかじめ用意していないとWebUI導入時にモデルデータが無いと自動でデフォルトのモデルを取得してくれるようですが、そのダウンロードに時間が取られるのを防ぐためだそうです。
Git、Visual C++ Runtimeについては、Stable Diffusionを導入しようと試みた人ならもう導入済みだと思います。
※以前の記事ではMinicondaを使用したが、今回は必要ないのでアンインストールした。
Pythonは3.10.11をインストール
この事前準備の中でもWebUIとComfyUIを両方使いたいならPythonのバージョンは3.10.11をインストールしましょう。
導入方法のページを進めると3.10.6をインストールするように書かれていますが、
ComfyUI ZLUDAの導入のところにWebUIとComfyUI両方使いたいなら3.10.11をインストールと書かれています。
Pythonインストール時は必ずこちらのチェックを忘れずに
AMDのAI開発キットHIPをインストールする
2. AMDのAI用開発キットHIP の導入(AMD Radeon限定)
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#c9f7b9fa
こちらに使っているGPUに合わせてどのバージョンのHIPを選んだらいいか書かれています。
わたくしはRadeon RX7600を使用しているので、6.1.2か6.2.4か迷ったのだが、
6.1.2をインストールして問題なく動作している。
WebUIのインストール
3-1 A1111のZLUDA Fork版を入手
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#lf6c6d6b
インストールしたいフォルダを新たに作ってインストール
インストールすると「stable-diffusion-webui-amdgpu」というフォルダが作られその中にインストールされる。
インストールしたいフォルダのアドレスバーに「cmd」と入力してエンターを押すとこのフォルダでコマンド画面が開く。
git clone https://github.com/lshqqytiger/stable-diffusion-webui-directml.git
このコマンドを入力するとインストールが始まる。
それほど時間はかからない。
起動用バッチファイルを編集
3-3 起動用ファイル webui-user.bat の編集
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#f4480e1a
フォルダ内に作られた「webui-user.bat」メモ帳で開く、このときに誤って起動しないように。
右クリックのメニューで「メモ帳で開く」を選ぶと良い。
set COMMANDLINE_ARGS=--use-zluda --medvram
開いたら、このように編集して上書き保存。
Radeon RX7600はVRAMが8GBなので「–medram」を入れた。
初回起動と初回生成はかなり時間がかかる。
3-4 A1111初回起動
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#yae1f54c
編集した起動用バッチファイルを実行するとWebUIが起動するのだが、初回はかなり時間がかかる。
コマンド画面が止まることもあるが、とにかく暫く待つ。
するとWebUIの画面が出る。そしたら「Generate」を押し、また初回は待つ。
これでWebUIが使えるようになる。
ComfyUIのインストール
6. ComfyUI ZLUDA対応Fork版
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#uf4df512
ComfyUIもこの部分から見ながら同じように作業すれば問題なくできる。
install.batを編集する
6-3 install.batでインストール
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#uf613184
install.batを実行する前に、HIPのバージョンが6.1.2か6.2.4をインストールしたなら、さきに編集する必要がある。
curl -s -L https://github.com/lshqqytiger/ZLUDA/releases/download/rel.c0804ca624963aab420cb418412b1c7fbae3454b/ZLUDA-windows-rocm6-amd64.zip > zluda.zip
6.1.2の場合は青字の部分を「rocm5」から「rocm6」に編集する。
メモ帳で開くとかなりの行数があるので探すのが大変。上の一部をコピーして「Ctrl + F」で検索すると良い。
起動用バッチファイルを編集する
6-4 起動用ファイル comfyui.batとwebui-user.batの編集
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#n1e12a51
ここの説明で、「comfyui.bat」を「webui-user.bat」に名称を変えているが、もともとComfyUIを使って慣れていたので、「ComfyUI_run.bat」とした。使いやすければいいと思う。
set PATH=%PATH%;%HIP_PATH%bin;%~dp0zluda;%~dp0.zluda
このコマンドを3行目に追加しZLUDAに対応させて、
git pull
このコマンドを削除して、強制更新しないようにする。
こんな感じになった。
編集したバッチファイルを実行
6-5 ComfyUI初回起動
https://wikiwiki.jp/sd_toshiaki/Radeon%20ZLUDA#kff71148
初回はこちらも時間がかかるが、これでComfyUIの画面が開いたらテスト生成して導入作業完了
Radeon RX7600 ZLUDAでどれくらいの速度なのか?
とりあえず、ハローアスカベンチマークをやってみました。
1分7.6秒という結果になりました。
以前のZLUDAを使っていないComfyUI導入時に試しにやったときは、ComfyUIではトータルの生成時間が出ないために記録として残さなかったのですが、だいたい3分以上はかかっていました。
それを考えるとかなり早くなったと体感しています。
これは以前の記事で紹介したデフォルトのセッティングで「1girl」とだけ入力して生成した結果ですが、
このときは23秒かかっています。
そしてZLUDAを導入した結果、だいたい5秒位で生成できるようになりました。
前回は普通に生成してもかなり時間がかかったので、LCM Loraを使用して高速化しました。
LCM Loraをしようすることで、4秒台で生成できるようになったのですが、
ZLUDAでLCM Loraを使用することで、2秒切って生成できるようになりました。
これは512×512のデフォルトサイズですが、Radeon RX7600というAIイラスト生成としては最低スペックラインのGPUでもこれくらい速くAIイラスト生成が出来るようになりました。
AMD環境でAIイラスト生成されているかたで、まだZLUDAを使っていないなら、試す価値ありです。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
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